渡辺浩二設計室 別館 

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分離発注ってなんだろう(その5/5)
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すべての都道府県の住宅数が世帯数を上回った1973年を境にして、着工件数が緩やかな減少を続けてゆくなか、耐震偽装問題で揺れた翌年の2006年、住生活基本法が制定されました。


これは、1966年から続いた住宅建設5カ年計画を廃止して、フロー消費型から長期にわたって使用可能な質の高い住宅ストックを形成するよう、住宅政策の転換をおこなうものでした。

 
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分離発注の家づくりについて、この場をお借りしてあらためて考え、これまでさまざまな方向から検証することができました。あやふやだった特徴も、いろいろ削ぎ落とすなかでいくらかは本質に近づけたかもしれません。ただその特徴は、いまだメリットの部分しか捉えられずに、なんだか片手落ちな感じでもあります。

前回、戦前からの家づくりの歴史を振り返り、それを下敷きにあらためて考えました。そうすると、私なりにですが、分離発注についてのデメリットが見えてきました。


今回はそのことについて書きます。

 
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何だと思われますか?


私に見えた、分離発注に潜在するデメリットとは、


「そのメリットが従来型、一括請負のデメリットを解消するものでしかない」ことでした。


わかりにくくてすみません。
まわりくどいかもしれませんが、少しおつきあいください。


現実に必要な粗利益が一般の工務店さんで25%、ハウスメーカーさんではそれ以上であることはいまやインターネット(というかスマホ1台)で割りとあっさり検索できます。


が、提示される見積上の諸経費は10%のままであるという価格の二重構造が、住生活基本法で定めた「質の高い住宅ストック形成」を望む建築主さんの不信を招くケースが出ています。つまり「不透明な価格の根拠がわからない。納得いかないものにカネは出せない。」



その「わかりにくさ」を解消すべく、二重(提示金額と実態、あるいは元請と下請)だった外側の殻を剥ぎ取って軽量化をはかったのが分離発注方式です、というのがこれまで挙げてきたメリットとは違う側面の、分離発注方式の特徴、メリットです。


しかし、それらが未来永劫メリットであり続けることは、決してあり得ません。戦前から戦後の家づくりの歴史からもわかるように、社会背景の変化と制度疲労は「ふつうに起こり得ること」です。

 
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今はまだわからないけど将来、システムの変更を社会的に要請されるほどの「何か」が分離発注そのものに構造的に含まれていること。それがメリットと釣合う、分離発注に潜在するデメリットの正体であるというのが、今の私なりの結論です。
 
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最後に(株)イエヒトさんの紹介をします。分離発注方式の老舗で、鳥取県米子市にあります。


分離発注に「分離発注」という名前がつけられる前から、この手法を国内ではじめて本格的に実践した建築士の山中省吾さんが代表を務める、全国で分離発注方式を実践している設計事務所のサポート業務をおこなう会社です。補償制度や分離発注専用のフラット35など、老舗ながらのサービスを揃えていらっしゃいます。



ホームページ も充実していて、システムについての説明や、(ないにこしたことはありませんが)工事中または引渡し後の建物の不具合や専門工事業者・設計事務所の倒産などにも対応した補償制度についての説明が掲載されているQ&A、全国各地の完成事例など、これまでに寄せられたさまざまな問いに対応した構成・内容になっています。


※「家づくり資料室」はこれで終わりです。最後までお読みいただき、どうもありがとうございました。

 
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