2015.05.10 Sunday
「夏涼しくて冬あたたかい」家(2/6)
夏は、太陽光が地表面に対して垂直に、つまり、
・「正面からまとも」に当たることと、
・日照時間が長いこと
により、あれだけの暑さを生み出しているのだそうです。植物は元気いっぱいですが、私たちがこの季節の光を直接浴び続けると、日射病や熱中症など、場合によっては生命の危険に関わります。「ほどほどに快適」をめざすなかでも、このことは絶対に避けねばなりません。
住宅の、夏の日射(日射し)の防ぎ方を整理すると、
・窓:日射の通り道をできるだけ避ける
・屋根と外壁:熱を室内に伝えにくいつくりにする
といえるのでしょうが、もうすこしだけ詳しく、屋根と外壁に分けて書いてゆきます。
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自ら動くことのできない住宅が、日射を遮るためには、
・太陽の動きを知って、
・日射が「自分」のどの部分に当たり、どこを通るのか
を知ることが、まずは「はじめの一歩」です。
夏の太陽は、一年を通じてもっとも高い軌道を通ります。夏至の正午には、ほぼ真上から降り注ぐくらいの高度(角度)となるのが特徴で、前回にも書きましたが、建物が夏に最大の日射を受けるのは、屋根面です。
次に東と西面の壁、
南面の壁と続いて、
北面の壁がもっとも日当たりが悪いです。
それでは夏の日射の防ぎ方について、屋根と外壁のそれぞれの面に分けて、考えてゆきます。
まずは屋根面についてです。
・太陽の動きを知って、
・日射が「自分」のどの部分に当たり、どこを通るのか
を知ることが、まずは「はじめの一歩」です。
夏の太陽は、一年を通じてもっとも高い軌道を通ります。夏至の正午には、ほぼ真上から降り注ぐくらいの高度(角度)となるのが特徴で、前回にも書きましたが、建物が夏に最大の日射を受けるのは、屋根面です。
次に東と西面の壁、
南面の壁と続いて、
北面の壁がもっとも日当たりが悪いです。
それでは夏の日射の防ぎ方について、屋根と外壁のそれぞれの面に分けて、考えてゆきます。
まずは屋根面についてです。
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天窓を除けば、住宅の屋根には、瓦や鉄板や下地材などが用いられ、ガラスなどの光を透す材料が使われることはありません。室内への日射対策は、光を透さなければ、つまり「屋根があれば」、ひとまずは大丈夫です。けれど話はそれでは終わりません。
太陽の光を受けた屋根瓦や鉄板は、ちょうど電子レンジであたためられるお弁当のように、徐々にそれ自体が熱を帯びて(同じ原理なのだそうです)、その熱は下地材へと伝わってゆきます。
熱は、高いところから低いところへ流れるので、瓦(鉄板)から下地へ伝わった熱は、屋根裏の空気を経由して天井に伝わり、天井の下地、仕上げ材料を経由して、やがて室内まで到達します。
こうしたときに熱の到達を防ぐためには、熱を伝えにくい素材を屋根から室内までの間に入れて「通せんぼ」 してやることが必要で、このことを「断熱」といいます。
断熱材が普及する前の時代に建った家の2階に上がると、夏の午後には長居できないほどの暑さになっていることがあります。これは、午前中のうちに熱せられた屋根面から伝えられた熱が、屋根裏空間に蓄えることのできる熱容量を超え、オーバーヒートをおこし、やがてその熱が天井を経由して2階の室内に及んだからです。
いうなれば当時の家は、屋根裏の空気と天井、そして季節によっては2階の部屋まで含めたものが「断熱層」の役割を果たして、1階の室内環境を太陽の熱から守っていたことになります。
太陽の光を受けた屋根瓦や鉄板は、ちょうど電子レンジであたためられるお弁当のように、徐々にそれ自体が熱を帯びて(同じ原理なのだそうです)、その熱は下地材へと伝わってゆきます。
熱は、高いところから低いところへ流れるので、瓦(鉄板)から下地へ伝わった熱は、屋根裏の空気を経由して天井に伝わり、天井の下地、仕上げ材料を経由して、やがて室内まで到達します。
こうしたときに熱の到達を防ぐためには、熱を伝えにくい素材を屋根から室内までの間に入れて「通せんぼ」 してやることが必要で、このことを「断熱」といいます。
断熱材が普及する前の時代に建った家の2階に上がると、夏の午後には長居できないほどの暑さになっていることがあります。これは、午前中のうちに熱せられた屋根面から伝えられた熱が、屋根裏空間に蓄えることのできる熱容量を超え、オーバーヒートをおこし、やがてその熱が天井を経由して2階の室内に及んだからです。
いうなれば当時の家は、屋根裏の空気と天井、そして季節によっては2階の部屋まで含めたものが「断熱層」の役割を果たして、1階の室内環境を太陽の熱から守っていたことになります。
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それじゃあんまりだよと叫ぶ、子供の頃の私をふくめた当時の2階の住人たちの声を聞いてくださったのかどうかは定かではないのですが、現在流通している断熱材のほとんどは、一般的な屋根裏空間(屋根の三角部分)を必要としないほどに高性能です。そしてすべての商品名を把握できないくらいに多種多様で、「日本住宅性能表示基準」によると、断熱材の仕様は7つの区分にわかれ、種類だけでも合計で31あります。
それぞれの違いや特徴についてはあとで詳しく書きますが、その家の断熱性能を要約すると以下の式、
※その家の断熱性能
={(断熱材仕様+設計精度+施工精度)×施工面積}-ガラス窓と換気による熱損失
に、まとめることができます。
それぞれの違いや特徴についてはあとで詳しく書きますが、その家の断熱性能を要約すると以下の式、
※その家の断熱性能
={(断熱材仕様+設計精度+施工精度)×施工面積}-ガラス窓と換気による熱損失
に、まとめることができます。
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焚き火にあたっているとき、誰かが前に割り込むと、とたんにあたたかみが消えてしまいます。
これは 炎から出る遠赤外線が前の人によって遮られる からで、このように熱線を遮ることを「遮熱」といい、太陽光にも熱線が含まれています。焚き火の前に割り込んだ人や、晴天の日傘などは遮熱材の役割を果たしている、ともいえます。
遮熱用の建材を、住宅に実際に使用した経験は私自身はまだないのですが、その方法を調べると、アルミなどの金属を蒸着した遮熱シートを複層の屋根下地に貼ったり、改修工事では屋根表面に遮熱性能をもった塗料を塗ることもあるようです。反射率の高い色や素材を選ぶことは、シンプルですが手堅い遮熱の手法ともいえます。
遮熱用の建材の国内販売がはじまったのはこの20年くらいのところで、まだ公による分類や性能に応じた仕様は定められてはいません。が、実際に使用され公開されているデータからみると、相応の効果はあるようです。
私見ですが、いずれは断熱材をアシスト(特に外断熱で有効だと思います)する方向で基準が固められてゆくのではないかと予想しています。
次回は、外壁への日射の防ぎ方についてです。