渡辺浩二設計室 別館 

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「夏涼しくて冬あたたかい家」(3/6)
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自ら動くことのできない住宅が、夏の日射しを遮るためには、


・太陽の動きを知って、
・日射しが「自分」のどの部分に当たり、どこを通るのか


を、知ってその上で「そこを通る日射し」を防ぐ方法を考えてゆきます。
外壁(=窓)への日射の防ぎ方についてのキーワードは2つ。庇(ひさし)と簾(すだれ)です。


もうすこし詳しく書けば、


・南の窓の軒(庇)と
・東西の窓の簾(すだれ)です。
外壁面への日射量は、屋根面を下回りますが、夏の遮熱はここからが本番です。

 
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屋根とは違い、外壁には窓があります。
窓のない、正味の外壁の部分については屋根と同じように、熱を室内に持ち込まない(断熱・遮熱)工夫をすればそれでよいのですが、ガラス窓は「ノーガード」で日射しが入ってきます。いわばそこだけは温室のように、室内は熱されてゆきます。


日射は防ぎたいけれど、明るさや通風、そして視界は確保したい。そのためには窓は日射に対して「閉じながら開いて」いなければなりません。こうした一見矛盾することがらを実現できる方法は、実は、先人からの知恵として、今も「ふつうの家のこと」として生き続けています。


せっかくですからその仕組みを再確認しましょう。まずは南面からです。

 
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結論から先に言えば、南側壁面に当たる日差しは、平屋ならば軒が、総2階でも窓上の庇(もしくはバルコニー)があれば遮ることができます。


夏至のころ、南東に位置する午前11時の太陽はもうすでに高く、高度(仰角)75度と、建てかけた梯子くらいに急勾配です。この角度で高さ2メートルの掃き出し窓に差し込む日差しを計算すると、窓から室内に向けて、奥行き40センチほどになります。


木造住宅の場合、大抵の屋根の南側には軒が出ていて、その寸法は夏の直射日光を遮れるだけのものです。夏至の11時の太陽ならば、たいていの平屋建ならば、80センチ程度の軒の出があれば、日差しは室内には入りません。総2階建てで1階に屋根がない場合も、窓の上端に庇があれば、40センチ程度の庇の出で、日差しを室内から締め出すことができます。


次は東・西面です。

 
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建物の東(西)側を照らすときの太陽は、高度はまだ(もう)低く、朝7時〜8時半(15時半〜17時)のあいだの日差しは、ほぼ横殴りです。ちょうど暴風雨でさす雨傘のように、真上からの日射を防ぐための庇や軒では、夏のこの時間帯の日差しを防ぐことはできません。しかし対策はあります。


いちばん効果的なのは、これらの面にいっさい窓を設けないことですが、汎用性のある考え方ではありません。ではどうするのかといえば、開口は必要最小限にとどめて(かつ、外壁面積もできるだけ小さくして)、その開口にはキーワードの2つめの「簾(すだれ)」を設えて日射を遮ります。


簾でも朝顔でもゴーヤーでも植栽でも、原理としての括りは「外付けブラインド」なのですが、ナチュラルでユルいイメージに反してなかなか「いい仕事」をしてくれます。性能値でいえば、日射の80%を遮る効果があり、それは熱線反射ガラス、いわゆるlow-Eガラスを凌ぐものです。

 
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太陽の動きは一定なので、その動きを見越して窓の位置を決めて日除けを設けてやると、効果は毎年持続して、しかもイメージ以上に効果的です。そしてそれらは窓の設置位置の検討+αで済むので、無駄にスペックを引き上げないという意味で、潜在的なコストダウンと同義です。

外からの熱を防ぐ方法に続いて次回は、室内の熱気を外に出す方法について書きます。

 
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