渡辺浩二設計室 別館 

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音とニオイ
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本格的なシアタールームやピアノ室などの防音室ではなくても、音について、一定の配慮を持った家づくりとするべきだと考えています。ニオイを伴って流れる空気の向きについても同様です。


音とニオイについて、具体的に検討すべき守備範囲は、感じ方の「幅」により、かなり個人差があるようですが、今回はそのなかで必須と思われる、


・建物内の防音対策(トイレの配置と天井、壁の仕様)
・外部からの騒音対策



について書きます。

 
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音の特性についてのおさらいをします。


音は、空気と固体の震動により伝わります。つまり、その部屋の隙間が少なく、天井や床や壁の比重が大きければ大きいほど、音は伝わりにくくなります。カラオケルームの防音性能を高めるために、入口ドアを気密用パッキン付きの重いものにしたり、天井や壁下地を石膏ボードを二重張り、または鉛の板を貼ったりするのは、


・震動した空気を通さず
・壁や天井自体の震動を極力おこさない


ような、防音室とするためです。


音のエネルギーの強さは距離の2乗に反比例するといわれています。同じ音源で、距離が2倍に延びると、音の強さは1/4に減少します。距離が4倍ならば、音は1/16に減少します。

 
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これらの音の特性を踏まえ、トイレの配置と、天井・壁・開口部などの仕様について考えます。


一般的な木造住宅の天井と壁の下地は石膏ボードなので、質量(比重)は十分です。出入口戸の木材も、それなりの遮音性はあります。なので、


いかにして騒音源からの距離をとるか
・いかにして隙間からの音漏れを防ぐか



が、「肝」になってきます。


天井と壁の隙間については、比較的容易に防ぐことができるのですが、問題は出入口の隙間です。特に引込戸の場合、構造上必ず、戸と壁のあいだに3ミリ程度空くので、ここから音が漏れます。ドアの場合、気密性は高いのですが、換気扇の給気用にドア下端をくり抜く(アンダーカット)と、やはりそこから音漏れをおこします。


つまり、特別な対策を講じないかぎり、トイレの音は出入口から漏れます。


ならば出入口を主要室からできるだけ離したり、あるいはホールや廊下などの「緩衝地帯」、または物入れなどを介すかたちでトイレを配置するプランとすると、まず問題にはならないレベルに達します。トイレ自体もサイホン式、あるいはサイホンボルテックス式の、排水音の小さなタイプを選ぶのも効果的です。


ニオイについては、水洗であればあまり気にしなくても大丈夫でしょうが、水洗でなければ、ほぼ、音についての配慮と同じことが言えます。


※掃除のしやすさについては、別の機会に触れます。

 
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次は外部からの騒音対策です。


JISの規格からみると、一般的な住宅に使用される窓ガラスはおおよそ、


「おとなりさんの話し声は遮断できるけれども、主要道路に面した騒音を完全には防げない」くらいの遮音性能です。


こうした場合の遮音性向上には、この窓を二重窓(窓+窓)にしてやることが有効で、大掴みにいえば、主要道路に面していても、二重窓にすることによって、室内は図書館ほどになります(最近では、既存住宅用改修用の後付けタイプもあるようです)。そして、木造住宅の外壁の遮音性能は、ほぼ二重窓と同程度です。ペアガラスは断熱性能は高いですが、遮音性能は通常のガラスと大差ありません。


建築基準法には戸建住宅への遮音の規定は無いのですが、日本住宅性能表示基準には使用するサッシの遮音性能(JIS)に応じた等級分け(1〜3級)がなされています。

 
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外部騒音の遮音については、日当りの確保や視界の「抜け」や通風など、その敷地が持つ長所を最大限に活かすことと併せて検討すべき項目なので一概にこれだということはできません。原則として、幹線道路などの騒音の方向には大きな開口を設けないで成り立つ計画をまずは考えて、それがむずかしいようであれば、プラスアルファの工夫、または製品の活用を検討する。


このあたりの検討の順序は、トイレの音対策と同じです。

 
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