渡辺浩二設計室 別館 

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2010年代における坪単価の効能と限界 (コストから逆算したプランニング その1/11)


坪単価とは、ある建物について、


建設費 ÷ 床面積 の計算式から導き出される、床面積あたりの建設費です。


例えば、


建設費が2000万円、床面積40坪(132m2)で完成した住宅の坪単価は、


2000万円÷40坪=50万円/坪、坪単価は@50万円/坪です。


この流れを逆から辿れば、


坪単価 * 床面積=@50万円/坪 * 40坪=2000万円


といったように、


坪単価と床面積から建設費を推定することもできます。仮に、


1:敷地条件
2:建物形状
3:規模
4:仕様


が全く同じであれば、坪単価は、そのまま新たな計画の予算組みに用いることができます。


また、「多少の違い」程度であれば、坪単価は有効な目安です。過去に似た事例があればあるほど、「参考資料」の範囲は広がるわけで、事前の予算組みは、より正確なものになるでしょう。


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ただ、逆に言えば、


1:敷地条件
2:建物形状
3:規模
4:仕様


の4つが(ほぼ)同じでなければ、その建物の坪単価が


@45万円/坪なのか、
@75万円/坪なのか、


見当づけることはできません。


昔々、駆け出しの現場監督時代に担当した木造住宅の工事に一度だけ、「延べ床面積*坪単価=請負金額」
にて請負契約締結された現場を経験したことがあります。


当時、そのことに特に違和感も抱かないまま、現場はつつがなく進んでいったのですが、結局それが最初で最後の経験でした。振り返っていま考えると、どうやらこのあたりで建設(家づくり)業界のいろいろの潮目が変わったような印象で、ちょうどその頃を境にして、構造や断熱性能など住宅の内容への関心が高まり、性能表示制度の制定、建築基準法の大改正、住宅政策5カ年計画に代わる住生活基本法の施行などがおこなわれています。インターネットによる情報発信や情報収集が(私にも)できるようになったのも、この頃からでした。


坪単価は現在も、建物予算とボリュームを初期段階に大掴みするためには、大変重宝する指標のひとつです。おそらくこの先も変わらないでしょう。


けれども重宝するのは、計画の初期段階までです。なぜならば、ひとことでいえばコストダウンを計れないからです。


その理由を詳しく述べる前に、ちょっとだけ回り道をします。次回、物理的な「家そのもの」を分解して整理します。

 
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