現在日本国内で効力をもつ法律や政令は、憲法・民法・商法・民事訴訟法・刑法・刑事訴訟法をはじめとして、およそ7000件におよぶのだそうです。
今、手元にある法令集をひらいて、一般的な家づくりに関係しそうな法律を拾い出してみたら、
建築基準法
建築士法
建設業法
都市計画法
消防法
ガス事業法
水道法
下水道法
道路法
宅地造成等規制法
土地区画整理法
浄化槽法
文化財保護法
農地法
民法
住宅金融公庫法
住宅の品質確保の促進等に関する法律
長期優良住宅の普及の促進に関する法律
エネルギーの使用の合理化に関する法律
都市の低炭素化の促進に関する法律
廃棄物の処理及び清掃に関する法律
といった具合に多岐にわたり、結構な数でした(たぶんまだあると思います)。
「常勤」の建築基準法から、非常勤で数年に一度お世話になる可能性のある農地法や文化財保護法まで、その頻度と範囲と内容にはそれぞれに幅があるのですが、書き並べた全体を見渡すと、「個人の生活」と「町並み」の双方の拠点づくりともいえる家づくりの、これまでの改善と実践の歴史を見ているようでもあります。私がこの仕事に関わるようになった30数年前から振りかえっても、改正はもちろん、あらたに作られた法律も少なくありません。
家づくりにおける憲法の前文ともいえる、建築基準法(1950年制定)第一条を以下、引用します。
「第一条(目的)
この法律は、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低の基準を定めて、国民の生命、健康及び財産の保護を図り、もつて公共の福祉の増進に資することを目的とする。」
柔軟な運用や合理化、関わる者の良識が常に試されているのは、おそらくどのような法令についてもあてはまることなのでしょうが、
・何のための基準(法令)で、
・誰のためのスキルなのか、
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私たち、独占業務に就く者が、その度ごとに立ち戻る場所は、これらふたつの問いであるべきでしょう。